スペイン語の文法が身につかない本当の理由は、あなたの「脳」にあった

「動詞の活用を暗記したのに、会話で使えない…」

スペイン語を学ぶ日本人の多くが、この悩みに直面します。

  • 「ser」と「estar」の使い分けが覚えられない
  • 接続法の活用を何度練習しても、会話で咄嗟に出てこない
  • 文法書を読み込んでいるのに、ネイティブの会話が理解できない

文法書を何冊も買って、動詞の活用表を暗記して、何時間も練習しているのに、一向にスペイン語が話せるようにならない。

「やっぱり文法が苦手なのかな…」

そう諦めかけているあなたに、今日は衝撃の事実をお伝えします。

実は、スペイン語の文法が身につかないのは、あなたの暗記力不足でも努力不足でもありません。問題は、あなたの脳が聴き取れる「音の周波数」にあります。

目次

なぜ日本人はスペイン語の文法が使えないのか?

スペイン語圏の子どもたちは、文法書を開くことなく、2歳、3歳で自然と正しい文法を使いこなします。一方、日本人の大人は、何ヶ月、何年文法を勉強しても使えないまま。

この違いは一体どこから来るのでしょうか?

実は、言語にはそれぞれ独自の「音の優先周波数帯域」が存在します。これを専門用語で「パスバンド」と呼びます。

想像してみてください。ラジオのチャンネルのように、それぞれの言語には独自の「優先周波数」があります。日本語は低い周波数帯域を持つ言語の一つです。一方、スペイン語は日本語よりも高めの周波数まで使用します。


つまり、あなたの脳は、生まれてから一度も、スペイン語の周波数を「言語音」として処理したことがないのです。

認知神経科学学会で発表された研究によると、人間の脳は母国語のパスバンド外の音を「雑音」として処理します。あなたの脳は、日本語のパスバンドを受信する「ラジオ」として最適化されているため、スペイン語という「別の周波数」の音は、ノイズとして聞こえてしまいます。

あなたがどれだけ文法を勉強しても、あなたの脳がその言語の周波数の音を認識していない限り、習得は困難です。

文法の勉強法、実はほとんどが間違っている

「動詞の活用表を完璧に暗記しよう」「接続法の使い方を理解しよう」「名詞の性を覚えよう」

インターネットで検索すれば、こうした「文法の勉強法」が山ほど出てきます。しかし、これらの方法では根本的な解決にはなりません。

なぜなら、スペイン語の子どもたちは「この動詞はこう活用する」なんて教わらずに、自然と正しい文法を習得しているからです。問題は文法知識ではなく、あなたの脳がその周波数を認識できるかどうかです。

「スペイン語の音声を聞き流せば、自然と文法が身につく」

そう信じて、スペイン語のポッドキャストや音楽を流し続けている人も多いでしょう。

しかし残念ながら、スペイン語だけを聞き流していても、文法の習得は困難です。なぜなら、あなたの脳は日本語のパスバンドに最適化されています。日本語のパスバンド外の周波数は、どれだけ聞いても「雑音」として処理されてしまいます。

「ネイティブの先生に直接教わろう」

そう考えて、高額なスペイン語教室に通う人もいます。しかし、先生に文法を教わっても、根本的な解決にはなりません。なぜなら、問題はあなたの知識不足ではなく、あなたの脳がその周波数を処理する準備ができていないことにあるからです。

脳科学が明かした、文法習得の真実

ここで、あなたに質問です。あなたは日本語の助詞「が」と「は」の使い分けを、勉強して覚えましたか?

答えは、当然「No」ですよね。私たち日本人は、誰に教わることもなく、自然と日本語のあらゆる文法を使えるようになりました。

日本医学英語教育学会の名誉理事長を務める脳神経外科医が行った研究に、衝撃的な発見が記されています。

研究者たちは、スペイン語を話せる人と話せない人の脳活動をMRIで比較しました。すると、スペイン語を話せる人は、スペイン語を聴く時、日本語とは別の脳の領域を使っていました。一方、スペイン語を話せない人は、スペイン語を聴く時も日本語と同じ脳の領域を使っていました。

つまり、スペイン語を話せる人の脳は、スペイン語のパスバンドを処理する専用の領域を持っているのです。

文法が身につかない最大の理由は、あなたの脳にスペイン語のパスバンドを処理する「専用の領域」がないからです。どれだけ文法を暗記しても、どれだけネイティブの音声を聴いても、脳が新しいパスバンドを処理する準備ができていなければ、習得は困難です。

多言語を聴くことで、脳が新しいパスバンドに対応する

「じゃあ、大人になってからスペイン語の文法を習得するのは不可能なの?」

いいえ、そんなことはありません。大人の脳でも、新しいパスバンドに対応する領域を育てることは可能です。

その鍵となるのが、「多言語を聴く」というアプローチです。

マサチューセッツ大学と東京大学の研究チームは、日本人に複数の言語の音声を聴かせる実験を行いました。すると、驚くべき結果が出ました。英語だけを聴いたグループよりも、複数の言語を聴いたグループの方が、新しい周波数帯域の音を聴き分ける力が大幅に高まったのです。

なぜ、こんな変化が起きるのでしょうか?

それは、異なるパスバンドを持つ言語に触れることで、脳が「これまで処理してこなかった音域にも対応しよう」と働き始めるからです。言語ごとに異なる「音の色」にさらされることで、脳の受信感度が広がっていきます。

日本語だけを聴いている脳は、日本語の周波数帯域に最適化されています。しかし、さまざまな言語の音に触れることで、脳は徐々により広い音のスペクトルに耳を開いていくのです。まるで、新しいラジオ受信機が脳の中に組み上がっていくように。

こうして音の感受性が育つと、これまで苦労して暗記していた文法が、音の流れの中から自然に立ち上がってくるようになります。

文法は「覚えるもの」ではなく、「音の中から発見されるもの」なのです。

この記事を書いた人

20代半ば頃から様々な言語に触れて、勉強するも思うように身につかず、思うように話せない経験を繰り返す。しかしある時、約4万時間に及ぶリスニングと、約2万時間に及ぶ音読を実践する中で、語学習得のヒントは子どもの言語習得過程にあると気づく。その後、自身で試行錯誤を繰り返し、第3の言語習得メソッドを開発。現在は「おとなのためのマルチリンガル講座」の講師を務め、多言語を学びたい多くの人たちに自身のメソッドを教えている。

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