フランス語が話せるようになる勉強法:脳科学が明かす本当の学び方

目次

なぜ、真面目に勉強しても話せるようにならないのか?

フランス語を学び始めたとき、あなたはきっと希望に満ちていたはずです。パリの街角でフランス人と会話する自分、字幕なしで映画を楽しむ自分を想像していたかもしれません。

でも、単語帳を暗記しても会話で言葉が出てこない。文法書を読破してもネイティブの話すスピードについていけない。教室に通っても上達を感じられない。

「自分には才能がないのかも」と思っていませんか?

実は、問題はあなたの才能ではありません。多くの日本人が信じている「フランス語の勉強法」そのものに問題があるのです。

多くの人が陥る2つの落とし穴

落とし穴1:文法と単語を覚えれば話せると信じている

文法規則を理解し、単語を暗記する。これが語学学習の王道だと多くの人が信じています。

でも、文法の知識が豊富で単語もたくさん知っているのに、フランス語が話せない人はたくさんいます。なぜでしょうか?

それは、「話すこと」と「読み書きすること」が、脳の中でまったく別の処理だからです。会話は生き物です。音楽のように流れていきます。リアルタイムで進む会話では、文法や単語の知識を頭の中で整理している時間はありません。

落とし穴2:音声を聞き流せば耳が慣れると思っている

「フランス語耳を作るために毎日音声を聞き流しています」という人がいます。

でも、残念ながら、ただ音声を聞き流すだけでは、あなたの耳はフランス語を聴き取れるようになりません。

なぜなら、日本人の脳は日本語の音を処理するように最適化されているからです。日本語とフランス語では、使用する音の周波数帯が根本的に異なります。日本語の周波数帯に最適化された脳で、いくらフランス語の音声を浴びても、その音は「雑音」として処理されてしまうのです。

海外に1年間留学してもフランス語が思うように話せない日本人がたくさんいる理由がここにあります。

脳科学が明かす言語習得の真実

認知神経科学学会のシンポジウムで発表された『脳科学から見た効果的多言語習得のコツ』という論文に、衝撃的な事実が記されています。

フランス語を自然に話せる人と話せない人の脳活動を比較したところ、フランス語を話せる人は、日本語を使う時とフランス語を使う時で、脳の中の異なる領域を使っていました。つまり、日本語用の回路とフランス語用の回路が別々に存在していたのです。

一方、フランス語を話せない人は、フランス語を使う時も日本語を使う時も、同じ脳の領域を使っていました。つまり、フランス語を日本語の回路で処理しようとしていたのです。

さらに、マサチューセッツ大学と東京大学の共同研究によると、各言語には固有の周波数帯(パスバンド)があることが分かっています。日本語とフランス語では、使用する音の周波数範囲が全く異なるのです。

Google翻訳で同じ文章を日本語とフランス語で読み上げてみてください。全く違う「音色」に聞こえるはずです。これは音の周波数そのものが違うからです。

日本語に最適化された私たちの脳は、フランス語の周波数帯の音を処理するのが苦手です。だから、フランス語が「雑音」のように聞こえてしまうのです。

フランス語習得の鍵は「音」にある

ここまで読んで、「じゃあ、日本人はフランス語を習得できないの?」と思ったかもしれません。

そんなことはありません。脳は驚くほど柔軟です。適切な方法を使えば、何歳からでもフランス語の周波数帯を処理できる脳に変えることができます。

その鍵は、フランス語の「音」と本気で向き合うことです。

あなたは日本語を話すために、文法を勉強しましたか?もちろん、答えはノーです。

子どもは、ひたすら音を聴いて、真似して、試して、失敗して、また試して…というプロセスを繰り返して言語を習得します。文法規則を学ぶのは、ずっと後のことです。

この自然な言語習得プロセスこそが、大人がフランス語を学ぶ時にも有効なのです。

マサチューセッツ大学と東京大学の研究では、興味深い発見がありました。英語の音声だけを聴くより、複数の言語の音声を聴いた方が、新しい言語を習得する能力が高まったのです。

つまり、フランス語だけでなく、様々な言語の音に触れることで、あなたの脳は柔軟になり、新しい周波数帯の音を処理できるようになります。

実践のヒント:まず音の世界に浸る

フランス語を習得するために必要なのは、フランス語の音の世界に深く入り込むことです。

最初は意味を理解する必要はありません。ただ、音の響き、リズム、メロディを感じてください。フランス語の「r」は、どこから音が出ているのか?鼻母音はどんな響きなのか?音楽を聴くように、フランス語の音を味わってください。

そして、実際に声に出して真似することも大切です。最初は上手く発音できないのが当たり前です。子どもが言葉を覚える時のように、何度も何度も繰り返してください。

ある程度慣れてきたら、頭の中でフランス語を使い始めてください。「今日は天気がいいな」と思った時、フランス語で頭の中で言ってみる。これは「ひとり言」の練習です。ネイティブと会話する前に、自分自身とフランス語で会話できるようになることが重要なのです。

まとめ:フランス語習得は「勉強」ではなく「体験」

フランス語を習得するために、何千時間も机に向かって勉強する必要はありません。

必要なのは、フランス語の音の世界に浸り、その音を体で覚え、自分のものにしていくことです。文法や単語の知識は、その後で身につければいいのです。

従来の勉強法に縛られず、子どもの頃の自分を思い出してください。言語を「学ぶ」のではなく、「体験する」。これが、フランス語習得の本質なのです。

あなたの中に眠っている言語習得能力を信じてください。正しいアプローチを取れば、あなたも必ずフランス語を話せるようになります。

この記事を書いた人

20代半ば頃から様々な言語に触れて、勉強するも思うように身につかず、思うように話せない経験を繰り返す。しかしある時、約4万時間に及ぶリスニングと、約2万時間に及ぶ音読を実践する中で、語学習得のヒントは子どもの言語習得過程にあると気づく。その後、自身で試行錯誤を繰り返し、第3の言語習得メソッドを開発。現在は「おとなのためのマルチリンガル講座」の講師を務め、多言語を学びたい多くの人たちに自身のメソッドを教えている。

目次