「週に1回、英会話スクールに通っているのに、全然上達しない…」
あなたもこんな悩みを抱えていませんか。高いお金を払って、ネイティブの先生と会話練習をしているのに、いつまで経っても英語が聴き取れない。言いたいことがスムーズに口から出てこない。実はこれ、あなたの努力不足ではありません。英会話スクールという「選択」そのものに、大きな落とし穴があるのです。
なぜ英会話スクールでは話せるようにならないのか
多くの人が「ネイティブの先生と会話すれば、自然と英語が身につく」と信じています。確かに、一見すると理にかなった方法に思えます。
でも、現実はどうでしょうか。
週に1回、たった50分のレッスン。その中で実際にあなたが英語を話している時間は、せいぜい20分程度ではないでしょうか?しかもその20分間、あなたは頭の中で必死に日本語から英語に「翻訳」している。言いたいことを日本語で考えて、それを英語の文法に当てはめて、単語を選んで…。
これは「英語で考えて英語で話す」状態とは、まったく異なります。
さらに問題なのは、先生の言っていることが英語モードで聴き取れていない点です。なんとなく雰囲気で理解したつもりになっているだけ。
つまり、英会話スクールでは「英語ネイティブとの交流」はできても、「英語を聴き取る耳」や「英語で考える脳」は育たないのです。これは土台がないまま壁や屋根を作ろうとしているようなもの。どれだけ立派な材料を使っても、基礎がなければ家は建ちません。
英語が聴き取れない原因は「脳」にある
ここで、あなたに衝撃的な事実をお伝えします。
日本医学英語教育学会の名誉理事長を務める脳神経外科医が書いた論文に、驚くべき研究結果が載っています。英会話ができる人とできない人では、脳の使い方に明らかな違いがあるというのです。
バイリンガルの人は、日本語を聴いている時と英語を聴いている時で、脳の中のまったく別の場所を使っています。つまり、日本語と英語で「脳のスイッチを切り替えている」のです。
一方、英語を話せない人はどうか。
なんと、英語を話す時も日本語を話す時も、同じ脳の場所を使っていることが分かりました。面白いことに、この研究対象者は医学英語論文の読み書きは堪能だったのです。でも、英会話は全くできない。
なぜか。
それは、英語を聴く時も話す時も、日本語と同じ脳の回路を通しているからです。全ての英語を一度「日本語フィルター」に通してしまうため、英語の音が正確に聞こえない。そして話す時も、日本語の音韻体系から抜け出していない状態で英語を話そうとするから、うまく発音できないのです。
この研究から分かることは、いくら英会話スクールで練習しても、脳の中に「英語専用の回路」ができていなければ、永遠に英語習得は難航するということです。
日本語と英語は「周波数」が違う
では、なぜ日本語と英語で脳の使う場所が違うのでしょうか。
それは、各言語には「パスバンド」という、優先的に使われる音の周波数帯があるからです。

日本語のパスバンドは125ヘルツから1,500ヘルツ。一方、英語(イギリス英語)は2,000ヘルツから12,000ヘルツです。まったく重なっていません。
これは音楽に例えると分かりやすいです。ベースとバイオリンは、どちらも弦楽器ですが、音色がまったく違います。言語も同じです。
日本語話者の脳は、日本語のパスバンド(125~1,500ヘルツ)の音を聴き取るように最適化されています。だから、英語(イギリス英語)の高い周波数の音(2,000~12,000ヘルツ)が入ってきても、脳がそれを「意味のある音」として認識できないのです。
実際、マサチューセッツ大学と東京大学の共同研究でも、日本人が英語を聴き取れない原因は「発音の練習不足」ではなく、「脳の音声処理の問題」だと報告されています。
あなたが英会話スクールで先生の言っていることが聴き取れないのは、あなたの耳が悪いわけでも、努力が足りないわけでもありません。あなたの脳が、英語の周波数を処理する準備ができていないだけなのです。
子どもはどうやって言葉を覚えるのか
ここで子どもがどうやって言葉を覚えるか、考えてみてください。
赤ちゃんは文法を勉強しません。単語帳も使いません。英会話スクールにも通いません。それなのに、3歳になる頃には、誰もが母国語を自然に話せるようになっています。
なぜでしょうか。
答えはシンプルです。赤ちゃんは、生まれてから何千時間も、ひたすら周りの人の話す言葉を「聴く」からです。最初は意味なんて分かりません。でも、繰り返し聴いているうちに、脳がその言語の「音のパターン」を学習していきます。
そして、脳の中にその言語専用の回路ができあがった後、初めて言葉を話し始めるのです。
つまり、言語習得の正しい順番は「聴く→脳に回路を作る→話す」なのです。
多くの大人は、この順番を無視して、いきなり「話す」から始めようとします。英会話スクールでは、まさにそれをやっているのです。
大人でも「英語の耳」は作れる
「でも、大人になってからでは、もう遅いんじゃないの?」
そう思うかもしれません。でも、大人でも脳の中に新しい言語回路を作ることは可能です。
東京大学の研究チームが英国科学誌「Scientific Reports」に発表した論文によると、大人でも適切な方法で音声に触れることで、新しい言語の音を聴き分ける能力が向上することが証明されています。
ポイントは「どんな音に触れるか」です。
多くの人は「英語を聴き取れるようになりたいから、英語をたくさん聴こう」と考えます。でも、それだけでは不十分なのです。
なぜなら、日本語と英語のパスバンドはほとんど重なっていないから。日本語しか聴いてこなかった脳は、英語の高い周波数の音を「雑音」としか認識できません。
では、どうすればいいのか。
実は、世界には約7000の言語があり、それぞれが独自のパスバンドを持っています。そして、マサチューセッツ大学と東京大学の研究では、多様な言語の音声に触れることで、脳が広い周波数帯域を処理できるようになることが分かっています。つまり、英語だけでなく、様々な言語の音に触れることで、脳が「柔軟な聴覚」を獲得するのです。
様々な言語の音色を体験することで、あなたの脳は「言語の音」というものを、より深いレベルで知覚するようになります。
音に向き合うことから始めよう
英会話スクールで効果が出ない最大の理由は、「音の土台作り」を飛ばして、いきなり「会話」から始めようとするからです。
英語の習得も、日本語と同じプロセスをたどる必要があります。まずは英語の「音」そのものに、あなたの脳を慣らす必要があります。そして、日本語にはない高い周波数の音を処理できるように、脳を訓練する必要があります。
認知神経科学学会のシンポジウムで発表された研究でも、効果的な多言語習得のコツは「音声に集中的に触れること」だと結論づけられています。
「音の土台」ができて初めて、文法を帰納的に学んだり、語彙を増やしたりすることに価値が生まれます。
まとめ:あなたの脳は変えられる
英会話スクールで効果が出ないのは、あなたのせいではありません。学び方の順番が間違っているだけです。
最初にやるべきは「脳の中に英語の回路を作ること」。そのためには、英語の音、そして様々な言語の音に、たっぷりと触れることが必要なのです。
あなたの脳は、今からでも変えられます。大人になってからでも、新しい言語を習得する能力を伸ばせます。大切なのは、正しい順番で、正しい方法で学ぶこと。
音から始めましょう。あなたの脳が英語の音を「意味のある音」として認識できるようになった時、英語の世界が一気に開けます。その土台さえできれば、あなたが夢見ている「英語を自由に話せる自分」に、必ずたどり着けます。
