| 多言語話者(マルチリンガル)になるには、 さまざまな言語の音を区別できる能力が必要。 だから、「耳が悪い人には無理だ」と 思われるかもしれませんが、これは誤解です。 耳鼻咽喉科で難聴と診断された 80歳のお年寄りでも、 理論的には何か国語も習得できます。 もちろん、脳に各言語の神経回路を 形成する過程で補聴器が 必要になるかもしれませんが、、。 例えばAさんとBさんが 全く同じスペックの新しいパソコンを 購入したと仮定します。 Aさんはこのパソコンに一種類の ソフトしかインストールしなかったのに対し、 Bさんは100種類のソフトを インストールしました。 単純計算すれば、 Bさんのパソコンでできることは、 Aさんのパソコンでできることの100倍です。 しかしながらどちらのパソコンも、 経年劣化すると動作が鈍くなります。 10年以上同じパソコンを使用していると、 さまざまな不具合が出てくるのは当然ですよね。 それでもBさんのパソコンは 経年劣化したなりに100種類のソフトを 使っていろいろなジョブを実行できます。 それに対してAさんのパソコンは 相変わらず、、、 インストールした唯一のソフトに 対応するジョブしか実行できません。 ですから耳鼻咽喉科での 検査結果における「耳の良し悪し」は、 「何か国語できるか?」ということと全く別の話です。 生まれも育ちも日本の日本人の 小学校5年生の男の子が、 90歳のチェコ人の難聴気味のおばあちゃんと 耳鼻咽喉科の聴力テストで勝負したら、、 十中八九、男の子に軍配が上がるでしょう。 でも簡単なチェコ語の発話を できるだけ正確に聴き取って 再現するテストだったら、、 おばあちゃんに軍配が上がるでしょう。 なぜなら男の子の脳の中に チェコ語のソフト(音韻回路)が 入っていないからです。 ですから、もしあなたが 「自分は耳が悪い」と思っていたり、、 誰かからそのように 言われたことがあったりしても、、 それが新しい言語の習得を 不可能にするものではありません。 悲観する必要はないのです。 耳が悪いなら悪いなりに、 補聴器などを使って新しい言語の神経回路を 形成することができるのですから。 |
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