| おはようございます。 「語学は毎日少しずつでも コツコツと続けるべきだ!」 という意見がありますが、 僕はそのような意見には懐疑的です。 その理由はいくつかありますが、 今回は単語や表現の記憶に限定して、 「毎日コツコツ」式の欠点を説明します。 例えば、中国語初心者のAさんが、 初心者向けの中国語例文集の CD二枚組を購入して毎日10分ずつ 聴くことにしたとします。 CD一枚の収録時間が 74分であると仮定すると、、 二枚の合計収録時間は148分になります。 これを10で割ると、 14.8ですから「毎日コツコツ」式だと、 全部聴き終わるのに15日を要します。 ここで、 「音乐会」 (Yīnyuè huì)=コンサート という単語が四回登場するとします。 収録箇所は以下の通りです。 – CD1(05:33) 「明天我们一起去音乐会。」(明日私たちは一緒にコンサートに行きます。) – CD1(60:08) 「这场音乐会真好听!」(このコンサートは本当に素晴らしい!) – CD2(17:20) 「我第一次参加音乐会,非常兴奋。」(初めてコンサートに参加するので、とても興奮しています。) – CD2(54:09) 「音乐会的票已经卖完了。」(コンサートのチケットはもう売り切れました。) Aさんが「音乐会」という単語を 初めて耳にするのは初日、 二回目に耳にするのは7日目、 三回目に耳にするのは10日目、 最後に耳にするのは13日目です。 初めてこの単語を耳にしてから、 二回目にこの単語を耳にするまでに 六日経過しています。 ですから、二回目に この単語が出てきた時点で すっかり忘れてしまっている 可能性が高いです。 三回目に同じ単語に 遭遇するまでの時間は短いので、 もしかしたらここでAさんの 脳の中に「音乐会」という単語が 定着するかもしれません。 Aさんがずば抜けた 集中力の持ち主だったら、 さらに三日後にこの単語を体験して 完全に覚えてしまうかもしれません。 けれども社会に出て 普通に仕事をしている人の多くは、・職場の人間関係のストレス ・子供の教育問題 ・夫婦間の悩みなど… 様々な「心の重荷」を 背負って生きています。 そのため脳の中に色々な雑念が 渦巻いており、、 ひとつの単語を間隔を空けて 4回聴いたくらいでは、 国会議員の答弁さながらに 「記憶にございません!」となる 可能性が高いのではないでしょうか? それよりも、月に一度だけ。 例えば日曜日に 朝から晩まで時間をとって、 CD二枚分の音声を三回聴いた方が、、 「音乐会」という単語の 定着率は高そうです。 なぜなら忘れる前に、 別の新しい文脈で再登場するからです。 暗い部屋の中で目を閉じて、 ゆっくりと深呼吸しながら7時間24分 ひたすら音声に集中し、 さらに余裕があれば、 この日は完全断食すると、 なお良いかもしれません。 そうすれば、 たとえ月に一度でも、脳にとっては 「強烈な中国語の音声体験」となります。 人間の脳は常に新鮮な刺激を求めており、 惰性を嫌います。 ですから、「強烈な体験」というのは 記憶に残りやすいのです。 最後までお読みいただき ありがとうございます。 |
「毎日コツコツ」の欠点
