皆さんは視点を変えることによって
物事が劇的に変わって見えるという
経験をしたことはありませんか?
例えば宇宙人が初めて
地球を訪問した場合を考えてみましょう。
彼らが住む星には空気がない
可能性が高いですから、
おそらく私たち人間とは別の方法で
意思の疎通を図っていると思われます。
言葉のようなものを介さずに
「以心伝心」で事足りるのかも
しれませんし、
あるいは高速で移動できる
特性を活かして、
その都度便箋に字をしたためて
直接手渡ししているのかもしれません。
何はともあれ彼ら宇宙人は
私たち人間が空気の分子を振動させて、
その運動エネルギーを
相手の耳に届けることによって
コミュニケーションをとる姿を
見て驚愕することでしょう。
「地球語ってクール! イケてる!」
「俺も地球語が話せたら、
宇宙人女性にモテるだろうなぁ……」
「今年の抱負:地球語検定1級に
合格すること!」
「リーズナブルな地球語スクールは
ないかな?」
などと思うかもしれません。笑
私たちが住む地球には
約7,000の言語が
存在しているとされています。
ご存知の通り、日本語は英語や
中国語やロシア語とは
似ても似つかない言語ですが、
彼らにしてみれば
「えっ!? 空気の分子を振動させて
いるだけなのに、そんなに違うの? 」
という感覚かもしれません。
実はこれ、「オギャー!」という産声と
ともにこの世に生まれてきた
赤ん坊の感覚に近いかもしれません。
「へぇー、空気の分子の振動のさせ方やその受け取り方にいろんなバリエーションがあるんだね。面白いじゃん!」
という考え方が腑に落ちれば、
マルチリンガルになることが
世間で考えられているほど
困難ではないことがわかってきます。
もちろん、言語の数が増えれば増えるほど
習得するのに時間はかかりますが、
「歯を食いしばって
根性!根性!ど根性!」
という世界ではありません。
「主語と述語の順番ガー」、
「動詞の活用ガー」
などという発想から抜け出せないうちは、
袋小路にハマったままでしょう。
ちなみに日本では相変わらず
「英語」教育が盛んですが、
例えばスコットランド英語とカリブ英語、
あるいはカナダ英語とシンガポール英語
との間には発音や語彙の面で
大きな差異があることを考えると、
各英語圏のネイティブスピーカーは、
先ほどの地球語の話と同様、
「英語と一括りにされてもね~笑」
と思うかもしれません。
実際、
「イギリス英語の悪口雑言辞典」
(東京堂出版)の著者
アントニー・ジョン・カミュンズさんは、
その序文において、
日本の英語教育に関して
以下のことを指摘しています。
“英語は一枚岩ではありません。
つまり明確な境界や明確な法則のある
統一された体系ではないのです。
日本の人たちは英語という言葉を
いろいろな意味で間違って使っています。
英語を話せるようになるとは
どういうことなのかを
画一的に考えるという
罠に無意識に陥ってしまっています。”
興味のある方はぜひ読んでみてください!
